コラム

2023.07.10 [相続]

配偶者居住権について

こんにちは
今日も暑いですね🌞

万一ご自分に何かあったときに備えて,配偶者のために配偶者居住権を設定したい!どのようにすればよいだろう?と考えたときについてのお話です。

こちらの答えはご自分の所有する建物に配偶者が居住している場合は,遺言で配偶者に配偶者居住権を遺贈することで,配偶者居住権を設定することができ,その場合ご本人が亡くなった時点でもその建物に配偶者が居住していたことが必要になるそうです。


またこのとき,配偶者と婚姻してから20年以上の夫婦である場合は,配偶者居住権を設定しても,原則として遺産分割で配偶者の取り分が減らされることはないそうです。
それは婚姻期間が20年以上の夫婦の間でされた居住用の不動産の生前贈与又は遺贈については,被相続人は,残された配偶者の老後の生活保障を厚くするつもりで行われたものと推定されるので,被相続人が異なる意思表示をしていない限り,相続財産の先渡しとして取り扱われないとのことです(当該財産は,相続財産には含みません。)。

今回この配偶者居住権をテーマに進めて参ります。

令和2年4月1日の民法改正によって、配偶者居住権が創設されました。
配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、 遺産分割や遺言書の記載に基づき配偶者居住権を取得すれば、終身又は一定期間、 被相続人所有の建物に無償で居住することができるようになりました。
建物の価値を「所有権」と「居住権」に分けて考えて,残された配偶者は建物の所有権を持っていなくても,一定の要件の下,居住権を取得できる制度のようです。
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配偶者居住権 の成立要件は?
配偶者居住権が成立するためには,以下1~3の要件をすべて満たす必要があります。
1.残された配偶者が,亡くなった人の法律上の配偶者であること
2.配偶者が,亡くなった人が所有していた建物に,亡くなったときに居住していたこと
3.①遺産分割,②遺贈,③死因贈与,④家庭裁判所の審判のいずれかにより配偶者居住権を取得 したこと
(①は相続人の間での話合い,②③は配偶者居住権に関する遺言又は死因贈与契約書がある場合, ④は相続人の間で①遺産分割の話合いが整わない場合です。)

施行日の令和2年4月1日以降に亡くなられた方の相続から配偶者居住権が設定できるそうです。亡くなった日が令和2年3月以前の場合,遺産分割協議が令和2年4月1日以降であっても,配偶者居住権は設定できません。 遺言で配偶者居住権を遺贈することができますが,令和2年4月1日以降に作成された遺言である必要があるようです。。

配偶者居住権は,登記しないといけないの?
配偶者居住権は,成立要件を満たしていれば,権利として発生しますが,配偶者居住権を第三者に主張するためには登記が必要であり,居住建物の所有者は配偶者に対して配偶者居住権の登記を備えさせる義務を負っているとのことです。 配偶者居住権の設定登記は,配偶者(権利者)と居住建物の所有者(義務者)との共同申請となります。 配偶者居住権の設定登記ができるのは建物のみで,その敷地である土地には登記できないそうです。
また亡くなった人が建物を配偶者以外と共有していた場合は,配偶者居住権の対象とならないそうです。

残された配偶者が安心して住み続けられることが目的なので,居住権の譲渡はできません。また所有者の承認を得なければ,居住建物の改築や増築,また第三者に使用させたり貸したりはできないそうです。