コラム

2021.05.17 [日常]

戸籍の附票について~大田区の司法書士事務所より・第33回コラム 

ほりぐち法務事務所 事務局の鈴木です。
久しぶりの投稿になってしまいました。皆さま,お元気ですか。
風が気持ちいいさわやかな季節もつかの間,今年はすでに梅雨のようなじめじめとした時期が続いていますね。髪の毛の広がりが気になります(;;)
 
 
最近は家で過ごす時間が多いので除湿機を買おうか悩んでいる今日この頃です。
 
 
さて,今回は戸籍の附票について書いていきます。
 
 
戸籍の附票とは

戸籍の附票はその戸籍がつくられてから除籍となるまでの住所の移転履歴を確認することができる書類です。戸籍に記載されている人全員の住所の移転履歴を確認することができます。

 
戸籍の附票は戸籍と紐づいており転出や死亡の届け出などにより戸籍内全ての人がいなくなった場合,戸籍謄本が除籍謄本になり,戸籍の附票も戸籍の除附票となります。
住民票は住所地の市区町村で管理されているのに対し戸籍の附票は本籍地の市区町村で管理されています。
 
 

どのような時に必要か

戸籍の附票は同じ本籍内での住所地の移転履歴を確認することができます。

そのため,遺産相続の際,法定相続人の本籍は分かるが現住所が不明なときなどは,戸籍の附票で現住所を調べます。
 
他にも,引っ越しをして住所の移転があったことを証明したい場合は,証明したい期間に住所があった本籍地で戸籍の附票をとります。そうすると,証明したい部分の住所の履歴を確認することができます。証明したい移転期間が現在の本籍地と1つ前の本籍地にまたがっている場合はそれぞれの本籍地で戸籍の附票をとると証明したい期間の住所の履歴をとることができます。
 
また,戸籍の附票も戸籍謄本のように戸籍全員の住所の履歴を確認できる戸籍の附票の全部証明と戸籍の中の一部の人の住所の履歴を確認できる一部証明があります。
戸籍内の一部の人の住所の履歴が必要な場合は,戸籍の附票の一部証明でも確認することができます。
 
 

戸籍の附票と住民票の違い

戸籍の附票は同じ本籍内であった住所の移転履歴を確認できるのに対し,住民票は1つ前の住所を確認することができます。

 
たとえば,A市に本籍があるときに3回引っ越しをした場合は,A市で戸籍の附票をとると移転した住所地3ヶ所を確認することができます。
一方住民票には、同一市区町村内での移転、または直前に住民登録をしていた市区町村の住所しか記載されません。
 
それ以前の住所を証明するためには、以前に住んでいた市区町村で住民票の除票(除住民票)を取る方法も考えられますが、戸籍の附票の取得をした方が容易に確認できるため、不動産登記をする際によく使われます。
 

 
戸籍の附票は除附票になってから150年間保存される

戸籍謄本からすべての人が死亡や引っ越しなどで転籍し戸籍にだれもいなくなると,戸籍謄本は除籍謄本になります。そして,戸籍謄本に紐づいている戸籍の附票も戸籍の除附票となります。

 
以前,戸籍の除附票の保存期限は5年でしたが令和元年6月20日から150年間保存されるようになりました。
 
これにより,以前は保存期限が過ぎ廃棄証明書を発行していた戸籍の除附票がとれるようになりました。(ただし,平成26年3月31日以前に消除または改製したものは発行ができません)
 
 

戸籍の附票のとり方

戸籍の附票は本籍のある市町村の役所で取得することができます。(郵送での請求もできます)
住所を知りたい期間の本籍地と本籍の筆頭者を確認しておくとスムーズに取得できるかと思います。
 
 

本日も最後までご覧いただきありがとうございました。